侵襲性肺炎球菌感染症の小児から分離されたStreptococcus pneumoniaeの血清型と耐性遺伝子の検討

1998年8月から2005年7月までの7年間に, 侵襲性肺炎球菌感染症の小児の血液または髄液培養から検出されたStreptococcus pneumoniae 46株について血清型と耐性遺伝子を検討した. 患者の年齢は生後2カ月から9歳の範囲で1歳以下の児は36名 (783%) であった. 臨床診断名は肺炎が16名 (34.8%), occult bacteremiaが15名 (32.6%), 髄膜炎が8名 (17.4%), 上気道炎が6名 (13.0%), 関節炎が1名 (22%) であった. 最も多い血清型は6Bで18株 (39.1%), ついで23Fが8株 (17.4%), 6Aと19F...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 80; no. 2; pp. 91 - 96
Main Authors 坂田, 宏, 生方, 公子, 千葉, 菜穂子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.03.2006
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Summary:1998年8月から2005年7月までの7年間に, 侵襲性肺炎球菌感染症の小児の血液または髄液培養から検出されたStreptococcus pneumoniae 46株について血清型と耐性遺伝子を検討した. 患者の年齢は生後2カ月から9歳の範囲で1歳以下の児は36名 (783%) であった. 臨床診断名は肺炎が16名 (34.8%), occult bacteremiaが15名 (32.6%), 髄膜炎が8名 (17.4%), 上気道炎が6名 (13.0%), 関節炎が1名 (22%) であった. 最も多い血清型は6Bで18株 (39.1%), ついで23Fが8株 (17.4%), 6Aと19Fが4株 (87%) であった. 7価の肺炎球菌ワクチンに含まれる血清型は70%以上を占めていた. 耐性遺伝子1個所に変異があるのは15株 (32.6%), 2個所に変異があるのは10株 (21.7%), 3個所に変異がある, いわゆるpenicillin resistant S. pneumonzae (PRSP) は18株 (39.1%) であった. PRSPは6B, 23F, 6Aの3つの血清型で認められ, それぞれの血清型の55.6%, 62.5%, 75.0%であった.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.80.91