MycoPlasma salivarium 細胞膜からの aminopeptidase の可溶化について

Mycoplasmarium ATCC23064の細胞膜からaminopeptidase(AP)を可溶化する方法について検討した。可溶化剤として, DOC, SDS, TritonX-100, Tween80, Brij35, CHAPSO, digitonin, EDTA, trypsinおよびpapainを用いた。可溶化の程度は, 細胞膜を可溶化剤で処理したのち, 40, 000×gで1時間遠心し, AP活性がどの程度上清にきたかで評価した。 可溶化の程度は, もっとも高いのがSDS処理の場合の48%で, その次がDOCの30%であった。その他の可溶化剤はほとんど有効でなかった。次に, S...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 208 - 214
Main Authors 渡邊, 継男, 戸塚, 昌攻, 柴田, 健一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 1985
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ISSN0385-0137
DOI10.2330/joralbiosci1965.27.208

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Summary:Mycoplasmarium ATCC23064の細胞膜からaminopeptidase(AP)を可溶化する方法について検討した。可溶化剤として, DOC, SDS, TritonX-100, Tween80, Brij35, CHAPSO, digitonin, EDTA, trypsinおよびpapainを用いた。可溶化の程度は, 細胞膜を可溶化剤で処理したのち, 40, 000×gで1時間遠心し, AP活性がどの程度上清にきたかで評価した。 可溶化の程度は, もっとも高いのがSDS処理の場合の48%で, その次がDOCの30%であった。その他の可溶化剤はほとんど有効でなかった。次に, SDSの濃度を変えて可溶化の程度を調べたところ, 細胞膜蛋白質の2倍量以上のSDSで約80%可溶化された。しかしながら, SDSでは細胞膜蛋白質の約90%が可溶化されるため, 可溶性画分の比活性の上昇はみられなかった。ところが, 本実験結果からTritonX-100はAP以外の蛋白質を優先的に可溶化することが示唆されたので, 細胞膜をまずTriton X-100で, その後にSDSでさらに処理したところ, 比活性が3倍上昇した。しかしながら, この画分をSephacrylS-300でゲルロ過すると, APはほとんどvoid volumeに溶出され, 活性画分からSDSを透析により除くと白濁し, 以後の精製が難しく思えた, そこで, SDSの共存しない状態での可溶化を検討した結果, 細胞膜をまずTritonX-100で処理し, ひき続いてpapainで処理することにより約50%のAPが水溶性蛋白質として可溶化されることがわかった。
ISSN:0385-0137
DOI:10.2330/joralbiosci1965.27.208