調理業務における疲労―職種による自覚症状の相違

本研究は,大量調理施設の調理従事者の異なる職種間での,調理業務から受ける疲労の要因について調査したものである.対象者は,自記式質問紙調査および疲労自覚症状調査(勤務前後),勤務日(7日間)の歩数調査に同意を得た女性12名とした.対象者を職種別に管理栄養士群(以下「管栄群」とする)と栄養士群(以下「栄養群」とする)に分類し,各群の疲労の自覚症状について比較した.その結果、両群とも勤務後の肉体的な疲労が高くなった.管栄群では,下半身の疲労が高くなった.栄養群では上半身の疲労が高くなった.これらの結果から,対象者は肉体的な疲労を感じていると考えられる.管栄群では,平均歩数が高いことが疲労を引き起こす...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in名古屋文理大学紀要 Vol. 21; pp. 49 - 54
Main Author 小濵, 絵美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人滝川学園 名古屋文理大学 31.03.2021
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1346-1982
2433-5517
DOI10.24609/nbukiyou.21.0_49

Cover

More Information
Summary:本研究は,大量調理施設の調理従事者の異なる職種間での,調理業務から受ける疲労の要因について調査したものである.対象者は,自記式質問紙調査および疲労自覚症状調査(勤務前後),勤務日(7日間)の歩数調査に同意を得た女性12名とした.対象者を職種別に管理栄養士群(以下「管栄群」とする)と栄養士群(以下「栄養群」とする)に分類し,各群の疲労の自覚症状について比較した.その結果、両群とも勤務後の肉体的な疲労が高くなった.管栄群では,下半身の疲労が高くなった.栄養群では上半身の疲労が高くなった.これらの結果から,対象者は肉体的な疲労を感じていると考えられる.管栄群では,平均歩数が高いことが疲労を引き起こす要因のひとつとして考えられる.栄養群では,大量調理業務中の上半身を使う動きが疲労を引き起こす要因のひとつとして考えられる.結語として,調理作業における疲労には様々な要因が影響すると考えられるため,今後も各因子と疲労の関連について解析を続ける必要があると考える.
ISSN:1346-1982
2433-5517
DOI:10.24609/nbukiyou.21.0_49