機械設計技術者等に対する機械安全教育 : 失敗学と安全学の融合(安全における人材育成・教育指導)

厚生労働省は,平成26年に"設計技術者,生産技術管理者に対する機械安全に係る教育"を通達した.この通達は,欧州を起源とする機械安全技術の普及によって,労働災害の一層の減少を図ろうとするものである.しかし,20年近く言われてきた"進んだ欧州,遅れた日本"というスタンスで教育が行われるならば,現場の機械設計技術者等のモチベーションの維持は困難である.このため,筆者らは,失敗学と安全学の融合という観点から(1)歴史災害,(2)フェールセーフとインタロック,及び(3)ISO12100を基盤とする機械のリスク低減戦略に重点を置いた講義を実施するとともに,現場・現物...

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Published in日本信頼性学会誌 信頼性 Vol. 38; no. 1; pp. 2 - 10
Main Author 梅崎, 重夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本信頼性学会 01.01.2016
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Summary:厚生労働省は,平成26年に"設計技術者,生産技術管理者に対する機械安全に係る教育"を通達した.この通達は,欧州を起源とする機械安全技術の普及によって,労働災害の一層の減少を図ろうとするものである.しかし,20年近く言われてきた"進んだ欧州,遅れた日本"というスタンスで教育が行われるならば,現場の機械設計技術者等のモチベーションの維持は困難である.このため,筆者らは,失敗学と安全学の融合という観点から(1)歴史災害,(2)フェールセーフとインタロック,及び(3)ISO12100を基盤とする機械のリスク低減戦略に重点を置いた講義を実施するとともに,現場・現物の実体験及び実践的な演習も考慮した機械安全教育カリキュラムの提案を試みた.このような教育の実施によって,機械災害の一層の減少が図れると考える.
ISSN:0919-2697
2424-2543
DOI:10.11348/reajshinrai.38.1_2