専門スタディーフォーラム B細胞1  B細胞を介する免疫抑制

  従来,Bリンパ球の一番重要な仕事は,プラズマ細胞へと分化し,抗原特異的な抗体を産生し外来抗原を速やかに生体から除去することと考えられてきた.しかし最近の研究は,B系列細胞が,IL-10を産生し,樹状細胞・Tリンパ球に働きかけ,免疫応答をnegativeに,又,Fc部位にシアル酸が結合した抗体は,抗炎症作用があることが明らかにされつつある.このような制御性細胞・制御性抗体の存在は,B細胞を介する自己免疫疾患・移植免疫の治療に新しい視点を与えるものである.   このフォーラムでは,抗体の機能発現機構,Bリンパ球を介する免疫制御機構に関して,最近の進歩を概説したい....

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 37; no. 4; p. 276
Main Authors 黒崎, 知博, 松本, 真典, 大海, 雄介, 高橋, 宜聖, 古川, 鋼一, 馬場, 義裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2014
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Summary:  従来,Bリンパ球の一番重要な仕事は,プラズマ細胞へと分化し,抗原特異的な抗体を産生し外来抗原を速やかに生体から除去することと考えられてきた.しかし最近の研究は,B系列細胞が,IL-10を産生し,樹状細胞・Tリンパ球に働きかけ,免疫応答をnegativeに,又,Fc部位にシアル酸が結合した抗体は,抗炎症作用があることが明らかにされつつある.このような制御性細胞・制御性抗体の存在は,B細胞を介する自己免疫疾患・移植免疫の治療に新しい視点を与えるものである.   このフォーラムでは,抗体の機能発現機構,Bリンパ球を介する免疫制御機構に関して,最近の進歩を概説したい.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.37.276