鉄および銅担持ベータ型ゼオライト触媒上のアンモニアSCRにおける酸素濃度の影響

鉄および銅担持ベータ型ゼオライトを用いて,アンモニアSCRにおける酸素濃度の影響を調査した。両者で酸素濃度の影響は大きく異なっており,酸素濃度を5 %から20 %まで高くすると,鉄担持ゼオライトでは反応速度が顕著に上昇したが,銅担持ゼオライトでは反応速度の変化は小さかった。反応次数の温度依存性を調査したところ,いずれの触媒においても温度上昇に伴い見かけの酸素次数は低下した。鉄担持ゼオライトでは0.9次が0.4次に(150→200 ℃),銅担持ゼオライトでは0.2次が0.1次に変化した(125→175 ℃)。温度上昇に伴う酸素次数の低下幅はアンモニア次数の上昇幅と一致しており,律速過程においてア...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 55; no. 1; pp. 57 - 66
Main Authors 小川, 宏, 伊藤, 悠軌, 高光, 泰之, 佐野, 庸治
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 2012
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.55.57

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Summary:鉄および銅担持ベータ型ゼオライトを用いて,アンモニアSCRにおける酸素濃度の影響を調査した。両者で酸素濃度の影響は大きく異なっており,酸素濃度を5 %から20 %まで高くすると,鉄担持ゼオライトでは反応速度が顕著に上昇したが,銅担持ゼオライトでは反応速度の変化は小さかった。反応次数の温度依存性を調査したところ,いずれの触媒においても温度上昇に伴い見かけの酸素次数は低下した。鉄担持ゼオライトでは0.9次が0.4次に(150→200 ℃),銅担持ゼオライトでは0.2次が0.1次に変化した(125→175 ℃)。温度上昇に伴う酸素次数の低下幅はアンモニア次数の上昇幅と一致しており,律速過程においてアンモニアが酸素の吸着を阻害していることが示唆された。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.55.57