合同シンポジウム2-2  CD4陽性CD25陰性LAG3陽性制御性T細胞のマウスとヒトの双方向性の解析

制御性T細胞(Treg)は自己免疫応答に対する重要な抑制機構であり,CD4陽性CD25陽性Foxp3陽性Treg,Tr-1,CD8陽性制御性T細胞等が知られている.我々は近年IL-10を大量に産生し転写因子Egr2を発現するCD4陽性CD25陰性LAG3陽性Treg(LAG3 Treg)を新たなTregサブセットとしてマウスとヒトで同定した.興味深いことにマウスLAG3TregはSLEモデルマウスMRL/lprマウスの自己抗体産生と腎炎進行を抑制し,試験管内および生体内でのヘルパーT細胞とB細胞による抗体産生をPD-1-PD-L1およびFas-FasL依存性に抑制した.試験管内での抗CD40抗...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 36; no. 5; p. 310
Main Authors 岡本, 明子, 石垣, 和慶, 藤尾, 圭志, 岩崎, 由希子, 仲地, 真一郎, 森田, 薫, 井上, 眞璃子, 庄田, 宏文, 住友, 秀次, 山本, 一彦, 岡村, 僚久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2013
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.36.310

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Summary:制御性T細胞(Treg)は自己免疫応答に対する重要な抑制機構であり,CD4陽性CD25陽性Foxp3陽性Treg,Tr-1,CD8陽性制御性T細胞等が知られている.我々は近年IL-10を大量に産生し転写因子Egr2を発現するCD4陽性CD25陰性LAG3陽性Treg(LAG3 Treg)を新たなTregサブセットとしてマウスとヒトで同定した.興味深いことにマウスLAG3TregはSLEモデルマウスMRL/lprマウスの自己抗体産生と腎炎進行を抑制し,試験管内および生体内でのヘルパーT細胞とB細胞による抗体産生をPD-1-PD-L1およびFas-FasL依存性に抑制した.試験管内での抗CD40抗体によるT細胞非存在下でのB細胞の分裂および抗体産生はLAG3Tregにより抑制され,またFasL欠損B細胞を生体内に移入するとLAG3Tregは抗体産生を抑制できなかったことから,LAG3TregはB細胞を直接抑制すると考えられた.ヒトでも扁桃腺と末梢血にLAG3Tregが存在し,試験管内で細胞接触依存性に強力な抗体産生抑制能を発揮した.関節リウマチ(RA)や全身性エリテマトーデス(SLE)患者末梢血ではLGA3Tregが減少していた.現在LAG3TregによるB細胞抑制機構と各種免疫抑制治療によるLAG3Tregへの修飾を解析中である.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.36.310