GISと地理教育

GIS(地理情報システム)は,高等学校の次期学習指導要領 2009(平成21)年版において初めて本文中に明記された.新学習指導要領は,地理教育の目標を達成するために,GISをどう活用することを求めているのか,それを受けて教員は,GISをどのように活用していくべきかを論じた.新学習指導要領は,地理的技能の獲得のためにGISを教育の内容全体において活用することを求めており,連携を求めた関連他教科(情報科や中学社会科)よりも,地理は踏み込んだ表現を行っている.現在,高等学校の地理教育におけるGISの活用は不十分であり,克服するべき課題が多く残されている.問題の解決のためには,教員が,地理的技能の獲得...

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Published inE-journal GEO Vol. 7; no. 1; pp. 49 - 56
Main Author 伊藤, 智章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本地理学会 2012
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ISSN1880-8107
DOI10.4157/ejgeo.7.49

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Summary:GIS(地理情報システム)は,高等学校の次期学習指導要領 2009(平成21)年版において初めて本文中に明記された.新学習指導要領は,地理教育の目標を達成するために,GISをどう活用することを求めているのか,それを受けて教員は,GISをどのように活用していくべきかを論じた.新学習指導要領は,地理的技能の獲得のためにGISを教育の内容全体において活用することを求めており,連携を求めた関連他教科(情報科や中学社会科)よりも,地理は踏み込んだ表現を行っている.現在,高等学校の地理教育におけるGISの活用は不十分であり,克服するべき課題が多く残されている.問題の解決のためには,教員が,地理的技能の獲得手段としてのGISの効果を認識し,現場の実情に合った方法論と教材を共有することと,GISを使って地理教育を充実させるために必要な環境を整えることが重要である.
ISSN:1880-8107
DOI:10.4157/ejgeo.7.49