脳血管病変のMRI診断

MRIは脳実質と脳脊髄液のコントラストの良好性, 骨によるアーチファクトのないこと, および裁面の自由選択性により脳疾患の診断に非常に有効である. 一方MRIにおける信号は, proton密度・T1T2緩和時間・流速よりなっている. 脳梗塞におけるその水分によるT1T2緩和時間延長を反映した信号は, CTに比し格段に勝る敏感さで検出される. 脳内出血においては, 血色素成分の時間的に変化する物質のprotonに対する緩和時間への影響が種々の形でMRI上にとらえられる. 脳動脈瘤や脳動静脈奇形は, その中の血流によるflow void signにより無信号野として把えられ, その中の凝血は, そ...

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Published in順天堂医学 Vol. 34; no. 4; pp. 476 - 485
Main Author 小林, 直紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 1989
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ISSN0022-6769
2188-2134
DOI10.14789/pjmj.34.476

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Summary:MRIは脳実質と脳脊髄液のコントラストの良好性, 骨によるアーチファクトのないこと, および裁面の自由選択性により脳疾患の診断に非常に有効である. 一方MRIにおける信号は, proton密度・T1T2緩和時間・流速よりなっている. 脳梗塞におけるその水分によるT1T2緩和時間延長を反映した信号は, CTに比し格段に勝る敏感さで検出される. 脳内出血においては, 血色素成分の時間的に変化する物質のprotonに対する緩和時間への影響が種々の形でMRI上にとらえられる. 脳動脈瘤や脳動静脈奇形は, その中の血流によるflow void signにより無信号野として把えられ, その中の凝血は, その血色素成分の状態により種々の信号強度部として把えられる.
ISSN:0022-6769
2188-2134
DOI:10.14789/pjmj.34.476