アルツハイマー型認知症の言語症状の多様性
通常のアルツハイマー型認知症 (AD) の言語症状は, AD の神経病理の分布を反映して健忘失語から超皮質性感覚失語に移行していくのが一般的である。言語障害を主症状とする AD の亜型があり, 原発性進行性失語 (PPA) の一型とされている logopenic progressive aphasia (LPA) 以外に (1) 喚語困難/ 漢字の健忘失書型, (2) 超皮質性感覚失語型, (3) 左側頭葉型 (意味性認知症様の AD) なども存在する。LPA を構成する各徴候の軽重も症例により多様であり, 一症候群を形成するといえるのかどうか疑問であるが, 変性疾患としての特異性は著明な言語...
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Published in | 高次脳機能研究 (旧 失語症研究) Vol. 35; no. 3; pp. 312 - 324 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本高次脳機能学会
30.09.2015
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Subjects | |
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ISSN | 1348-4818 1880-6554 |
DOI | 10.2496/hbfr.35.312 |
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Summary: | 通常のアルツハイマー型認知症 (AD) の言語症状は, AD の神経病理の分布を反映して健忘失語から超皮質性感覚失語に移行していくのが一般的である。言語障害を主症状とする AD の亜型があり, 原発性進行性失語 (PPA) の一型とされている logopenic progressive aphasia (LPA) 以外に (1) 喚語困難/ 漢字の健忘失書型, (2) 超皮質性感覚失語型, (3) 左側頭葉型 (意味性認知症様の AD) なども存在する。LPA を構成する各徴候の軽重も症例により多様であり, 一症候群を形成するといえるのかどうか疑問であるが, 変性疾患としての特異性は著明な言語性短期記憶障害にあるのではないかと考えられた。 |
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ISSN: | 1348-4818 1880-6554 |
DOI: | 10.2496/hbfr.35.312 |