膵および卵巣粘液性嚢胞腫瘍の免疫組織学的類似性に関する検討

背景と目的 膵粘液性嚢胞腫瘍(Pancreatic Mucinous Cystic Tumors, MCT(P))はまれな腫瘍であり, 多量の粘液を産生する腫瘍細胞と卵巣様間質を特徴とする. MCT(P)の発生については, 原始間葉系幹細胞説や原始卵胞細胞が膵内に組み込まれる迷入説1), 散布された性索間質性の過誤腫としての説2)など, いくつかの説が提唱されているが, 正確なMCT(P)の発生のメカニズムは依然証明されていない. 一方, 粘液性嚢胞腫瘍は全卵巣腫瘍の12~25%と卵巣に好発する(Ovarian Mucinous Cystic Tumors, MCT(O))3). MCT(P)...

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Published in膵臓 Vol. 23; no. 2; pp. 182 - 184
Main Authors 鈴木, 裕, 藤岡, 保範, 跡見, 裕, 阿部, 展次, 杉山, 政則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2008
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.23.182

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Summary:背景と目的 膵粘液性嚢胞腫瘍(Pancreatic Mucinous Cystic Tumors, MCT(P))はまれな腫瘍であり, 多量の粘液を産生する腫瘍細胞と卵巣様間質を特徴とする. MCT(P)の発生については, 原始間葉系幹細胞説や原始卵胞細胞が膵内に組み込まれる迷入説1), 散布された性索間質性の過誤腫としての説2)など, いくつかの説が提唱されているが, 正確なMCT(P)の発生のメカニズムは依然証明されていない. 一方, 粘液性嚢胞腫瘍は全卵巣腫瘍の12~25%と卵巣に好発する(Ovarian Mucinous Cystic Tumors, MCT(O))3). MCT(P)とMCT(O)には何らかの共通点の存在が推測されるが, 両者を比較検討した報告は少ない. 今回我々は種々の抗体の発現を用い免疫組織学的に両腫瘍を比較し, その発生や進展における各抗体の役割を検討した.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.23.182