大学生を対象としたダンス・セラピーワークショップの効果検証における「気分調べ」と「色名記述」の有効性

本研究では,即興表現を中心素材とするダンス・セラピーワークショップが参加者の気分を改善する効果を持つこと,また気分変化の様子を色名の記述によって把握することができることを検証しようとした。保育士資格養成課程で,実技科目「基礎技能ID(ダンス・セラピー)」を受講する者に対して,「気分調べ」の評定ならびに「色名記述」を求め,その変化を検討した。 その結果,ダンス・セラピーワークショップの体験前後で,「気分調べ」では,疲れ,抑うつといった否定的な気分や緊張が減り,明澄で,リラックスした,あるいは活力あふれるといった肯定的な気分が増加したことが,「色名記述」では「不安」や「孤独」が低減し,「明るさ」や...

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Published in日本女子体育連盟学術研究 Vol. 30; pp. 17 - 28
Main Author 八木, ありさ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本女子体育連盟 2014
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ISSN1882-0980
2185-3401
DOI10.11206/japew.30.17

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Summary:本研究では,即興表現を中心素材とするダンス・セラピーワークショップが参加者の気分を改善する効果を持つこと,また気分変化の様子を色名の記述によって把握することができることを検証しようとした。保育士資格養成課程で,実技科目「基礎技能ID(ダンス・セラピー)」を受講する者に対して,「気分調べ」の評定ならびに「色名記述」を求め,その変化を検討した。 その結果,ダンス・セラピーワークショップの体験前後で,「気分調べ」では,疲れ,抑うつといった否定的な気分や緊張が減り,明澄で,リラックスした,あるいは活力あふれるといった肯定的な気分が増加したことが,「色名記述」では「不安」や「孤独」が低減し,「明るさ」や「活発さ」「情熱」にみるエネルギー感が増進したことが確認された。また,「活動の満足度」の低い参加者においても,青年期の傷つきやすさと関連すると考えられる気分の改善が見られた。
ISSN:1882-0980
2185-3401
DOI:10.11206/japew.30.17