“一過性術後肝障害”の臨床病理学的検討-末梢血液所見を中心に
過去6年間に約1,300例の全麻手術患者の術後肝機能を経時的に検査した結果,全麻手術後2~3週間に急にSGPT値が100単位を越える一群の症例があることを見出し,私共は“一過性術後肝障害”と名付けた.これが術直後は無症状で一定期間後に発症することからアレルギー遅延型に類似すると考え,その臨床病理学的研究を行った. 術後2~3週に好酸球増多があり,単球も増加傾向にある.小リンパ球は術後2週間目に減少し,その後増加する.γ-グロブリンは第1週に減少するものが多い.IgAと白血球遊走阻止試験(ハロセン及びトリフルオロ醋酸に対し)については結論を保留する....
Saved in:
Published in | 肝臓 Vol. 19; no. 5; pp. 486 - 494 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
01.05.1978
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.19.486 |
Cover
Summary: | 過去6年間に約1,300例の全麻手術患者の術後肝機能を経時的に検査した結果,全麻手術後2~3週間に急にSGPT値が100単位を越える一群の症例があることを見出し,私共は“一過性術後肝障害”と名付けた.これが術直後は無症状で一定期間後に発症することからアレルギー遅延型に類似すると考え,その臨床病理学的研究を行った. 術後2~3週に好酸球増多があり,単球も増加傾向にある.小リンパ球は術後2週間目に減少し,その後増加する.γ-グロブリンは第1週に減少するものが多い.IgAと白血球遊走阻止試験(ハロセン及びトリフルオロ醋酸に対し)については結論を保留する. |
---|---|
ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.19.486 |