ACRファントムはフルディジタルマンモグラフィシステムの品質管理に使えるか? 撮影線量とACRファントムの描出について

増感紙-フィルム系を用いたマンモグラフィの品質管理では, ACRファントムが使用されている。このファントムには, 繊維組織石灰化グループ, 腫瘤が含まれている。本研究では, 入射線量を変化させてフルディジタルマンモグラフィ装置を用いてACR推奨のファントム撮影を行った。線量を変化させたときの模擬病変の描出能を評価するために, ACRファントム画像を8名の放射線技師で観察した。結果として, 繊維組織石灰化グループ, 腫瘤の描出能は, 入射線量 (平均乳腺線量) の増加に伴い改善した。しかし, 1.9mGy以上では繊維組織および石灰化グループの描出能は差が見られず, 腫瘤は1.5mGy以上では描出...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 14; no. 1; pp. 65 - 70
Main Authors 豊永, 真紀子, 王丸, 明子, 熊澤, 誠志, 畑農, 博英, 野田, 由比子, 田中, 勇, 桑原, 里依, 東田, 善治, 高木, 理恵, 井手口, 忠光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 20.03.2005
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ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.14.65

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Summary:増感紙-フィルム系を用いたマンモグラフィの品質管理では, ACRファントムが使用されている。このファントムには, 繊維組織石灰化グループ, 腫瘤が含まれている。本研究では, 入射線量を変化させてフルディジタルマンモグラフィ装置を用いてACR推奨のファントム撮影を行った。線量を変化させたときの模擬病変の描出能を評価するために, ACRファントム画像を8名の放射線技師で観察した。結果として, 繊維組織石灰化グループ, 腫瘤の描出能は, 入射線量 (平均乳腺線量) の増加に伴い改善した。しかし, 1.9mGy以上では繊維組織および石灰化グループの描出能は差が見られず, 腫瘤は1.5mGy以上では描出能に差が見られなかった。したがって, この乳腺線量を超える範囲でのACRファントムを用いたディジタルマンモグラフィの評価は, 問題があることが明らかなった。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.14.65