銅合金製ストレーナーによるカワヒバリガイ除去効果に関する検討

淡水域の付着汚損生物である特定外来生物カワヒバリガイ (Limnoperna fortunei) の利水施設への流入防止技術の一つであるストレーナーに関して, ろ過面へのカワヒバリガイの付着による機能低下を防止するために, 付着忌避素材である銅合金のろ材としての適用可能性について検討した。カワヒバリガイが生息する群馬県富岡市の大塩貯池において, 白銅および黄銅合金をろ材とした自動逆洗ストレーナー (設計ろ過粒度30 μm) による通水実験を実施した。その結果, いずれの銅合金の場合も, 浮遊幼生の流入にともなうろ過面およびストレーナー下流配管へのカワヒバリガイの付着は認められなかった。以上より...

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Published in水環境学会誌 Vol. 40; no. 2; pp. 77 - 85
Main Authors 中野, 大助, 小坂, 宏史, 松本, 寛, 斎藤, 晴夫, 小林, 卓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 2017
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ISSN0916-8958
1881-3690
DOI10.2965/jswe.40.77

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Summary:淡水域の付着汚損生物である特定外来生物カワヒバリガイ (Limnoperna fortunei) の利水施設への流入防止技術の一つであるストレーナーに関して, ろ過面へのカワヒバリガイの付着による機能低下を防止するために, 付着忌避素材である銅合金のろ材としての適用可能性について検討した。カワヒバリガイが生息する群馬県富岡市の大塩貯池において, 白銅および黄銅合金をろ材とした自動逆洗ストレーナー (設計ろ過粒度30 μm) による通水実験を実施した。その結果, いずれの銅合金の場合も, 浮遊幼生の流入にともなうろ過面およびストレーナー下流配管へのカワヒバリガイの付着は認められなかった。以上より, 銅合金がカワヒバリガイ対策のろ材として利用可能であることが確認された。一方, ストレーナー通水部で酸化被膜の破壊による減耗の発生が確認され, 銅合金の適用には腐食対策が必要となることが明らかになった。
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.40.77