地方におけるより良い乳癌検診をめざして 現状と課題について

乳癌マンモグラフィ検診は女性検診の柱の一つとして広く認識されるようになっている。「日本のすみずみまで乳癌検診を」をメインテーマとして第22回日本乳癌検診学会学術総会が日本の南西端である沖縄県にて開催された。沖縄県における乳癌検診状況の報告を通してテーマの議論の一助とする。周囲を海に囲まれた沖縄県では一次検診施設の多くが沖縄本島に集中するため,離島における検診では検診車が県内各地を支えている。ただ集団検診のみである点や検診車派遣に伴う費用の点など課題も多いことが指摘されている。また乳癌を取り巻く状況としては年齢調整罹患率において,日本では40歳代をピークとした二峰性曲線が周知されているが,それと...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 22; no. 1; pp. 17 - 23
Main Authors 鎌田, 義彦, 玉城, 研太朗, 上原, 協, 玉城, 信光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 25.03.2013
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ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.22.17

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Summary:乳癌マンモグラフィ検診は女性検診の柱の一つとして広く認識されるようになっている。「日本のすみずみまで乳癌検診を」をメインテーマとして第22回日本乳癌検診学会学術総会が日本の南西端である沖縄県にて開催された。沖縄県における乳癌検診状況の報告を通してテーマの議論の一助とする。周囲を海に囲まれた沖縄県では一次検診施設の多くが沖縄本島に集中するため,離島における検診では検診車が県内各地を支えている。ただ集団検診のみである点や検診車派遣に伴う費用の点など課題も多いことが指摘されている。また乳癌を取り巻く状況としては年齢調整罹患率において,日本では40歳代をピークとした二峰性曲線が周知されているが,それとは異なり沖縄では60歳代が最も高い罹患率となってきている。高齢化社会も背景に今後は中高年者の乳癌罹患数は増加することが予想され,それに伴う検診対策として今まで以上に中高年者への検診啓発に力を向けることは有益と思われる。今回任意型検診についても検討を行ったところ,対策型に近い受診者数が存在するものと考えられた。ただこの両者では受診対象が異なっており,この点は検診啓発を複雑にしている可能性も示唆された。これらの課題も踏まえ,行政やがん拠点病院,技師会・医師会などで十分な連携を図り,検診事業を進めることが重要と思われた。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.22.17