報酬と国民性が問題解決におよぼす影響

本研究の目的は、問題解決行動に対する報酬の有効性への文化的影響を、問題解決の正確さと問題解決におけるリスクテイクの 2 つの尺度から明らかにすることである。実験は、報酬のレベルを 2 段階 (金銭報酬と無報酬)、国籍を 2 段階 (日本人と非日本人) とした 2×2 要因で行なった。実験には計 84 名が参加し、問題解決のタスクには「数独」を使用した。実験の結果、日本人参加者よりも非日本人参加者の方がリスクテイクのスコアが有意に高く、他方金銭的報酬のない日本人参加者は、非日本人参加者に比べて正確さのスコアが有意に高かった。これらの結果からは、課題遂行において、金銭的報酬に左右されにくいという日...

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Published in情報メディア研究 Vol. 20; no. 1; pp. 19 - 35
Main Authors 鈴木, 佳苗, 歳森, 敦, アザディ, ナグシ ファテメ
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 情報メディア学会 21.05.2021
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ISSN1348-5857
1349-3302
DOI10.11304/jims.20.19

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Summary:本研究の目的は、問題解決行動に対する報酬の有効性への文化的影響を、問題解決の正確さと問題解決におけるリスクテイクの 2 つの尺度から明らかにすることである。実験は、報酬のレベルを 2 段階 (金銭報酬と無報酬)、国籍を 2 段階 (日本人と非日本人) とした 2×2 要因で行なった。実験には計 84 名が参加し、問題解決のタスクには「数独」を使用した。実験の結果、日本人参加者よりも非日本人参加者の方がリスクテイクのスコアが有意に高く、他方金銭的報酬のない日本人参加者は、非日本人参加者に比べて正確さのスコアが有意に高かった。これらの結果からは、課題遂行において、金銭的報酬に左右されにくいという日本人の文化的特質が示唆される。
ISSN:1348-5857
1349-3302
DOI:10.11304/jims.20.19