水田生態系における底質の必須脂肪酸組成と出現底生動物科数の関係

必須脂肪酸は動物の餌の指標として一般的に用いられている。しかし実際の環境中において餌の必須脂肪酸が動物の出現種数に影響を与えるか否か明らかでない。そこで本研究では湿地生態系の潜在餌源である底質中の脂肪酸組成が動物群集に与える影響の評価を行った。2009~2011年に宮城県の複数の水田において底質および底生動物を採集した。採集した底質は脂肪酸組成およびクロロフィルa含有量を解析し, 底生動物に関しては科まで同定を行った。底質の20:5ω3含有率と出現した底生動物の科数に有意な正の相関が確認された。...

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Published in水環境学会誌 Vol. 43; no. 1; pp. 17 - 23
Main Authors 長田, 祐輝, 丸尾, 知佳子, 西村, 修, 藤林, 恵, 高橋, 真司, 田中, 伸幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 2020
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ISSN0916-8958
1881-3690
DOI10.2965/jswe.43.17

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Summary:必須脂肪酸は動物の餌の指標として一般的に用いられている。しかし実際の環境中において餌の必須脂肪酸が動物の出現種数に影響を与えるか否か明らかでない。そこで本研究では湿地生態系の潜在餌源である底質中の脂肪酸組成が動物群集に与える影響の評価を行った。2009~2011年に宮城県の複数の水田において底質および底生動物を採集した。採集した底質は脂肪酸組成およびクロロフィルa含有量を解析し, 底生動物に関しては科まで同定を行った。底質の20:5ω3含有率と出現した底生動物の科数に有意な正の相関が確認された。
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.43.17