鉄道における融雪期斜面災害箇所の地形および土質条件に関する検証

積雪地域では融雪水を誘因とする斜面崩壊(融雪災害)が発生する場合がある。本稿では鉄道沿線斜面で発生した融雪災害の事例(45件)を分析し,盛土では高さ約3m以上の腹付け盛土または片切片盛,切土では台地地形の地山に施工された切土のり面で融雪災害が多発している実態を示した。また融雪災害の要注意箇所を抽出する手法として,鉄道で用いられている降雨時斜面災害の危険度評価基準(限界雨量基準)に着目し,同手法の総合評価点を融雪災害の被災箇所と未被災箇所で比較した。その結果,被災箇所の総合評価点が低くなる傾向が確認され,同基準を応用した融雪災害の要注意箇所抽出手法が有効に機能する可能性を示した。...

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Published in地盤工学ジャーナル Vol. 14; no. 2; pp. 123 - 139
Main Authors 高柳, 剛, 宮下, 優也, 湯浅, 友輝, 欅, 健典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 地盤工学会 30.06.2019
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Summary:積雪地域では融雪水を誘因とする斜面崩壊(融雪災害)が発生する場合がある。本稿では鉄道沿線斜面で発生した融雪災害の事例(45件)を分析し,盛土では高さ約3m以上の腹付け盛土または片切片盛,切土では台地地形の地山に施工された切土のり面で融雪災害が多発している実態を示した。また融雪災害の要注意箇所を抽出する手法として,鉄道で用いられている降雨時斜面災害の危険度評価基準(限界雨量基準)に着目し,同手法の総合評価点を融雪災害の被災箇所と未被災箇所で比較した。その結果,被災箇所の総合評価点が低くなる傾向が確認され,同基準を応用した融雪災害の要注意箇所抽出手法が有効に機能する可能性を示した。
ISSN:1880-6341
DOI:10.3208/jgs.14.123