北海道におけるゴジュウカラの繁殖生態

ゴジュウカラ(Sitta europaea)の繁殖生態については,樹洞営巣性であることとカラ類に比べ巣箱をあまり使わない習性からあまり詳しく調べられていない.我々は北海道大学苫小牧研究林内(42°40′N, 141°36′E)にて年間300–350個の巣箱を2009–2010および2012–2015年の6年間設置し,ゴジュウカラの繁殖を調べた.このうちゴジュウカラが利用した巣の数は合計9巣であった.繁殖パラメーターの平均値(巣数)は,産卵開始日5月8日(9),一腹卵数の平均は7.8個(9)であった.ふ化率は抱卵期に捕食を受けた巣を除くと87.3%(7),巣立ち率は85.3%(5)であった.また...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in山階鳥類学雑誌 Vol. 51; no. 1; pp. 62 - 67
Main Authors 油田, 照秋, 乃美, 大佑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 山階鳥類研究所 30.06.2019
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:ゴジュウカラ(Sitta europaea)の繁殖生態については,樹洞営巣性であることとカラ類に比べ巣箱をあまり使わない習性からあまり詳しく調べられていない.我々は北海道大学苫小牧研究林内(42°40′N, 141°36′E)にて年間300–350個の巣箱を2009–2010および2012–2015年の6年間設置し,ゴジュウカラの繁殖を調べた.このうちゴジュウカラが利用した巣の数は合計9巣であった.繁殖パラメーターの平均値(巣数)は,産卵開始日5月8日(9),一腹卵数の平均は7.8個(9)であった.ふ化率は抱卵期に捕食を受けた巣を除くと87.3%(7),巣立ち率は85.3%(5)であった.また,抱卵期間は平均18.6日(7),孵化から巣立ちまでの日数は20.4日(5),巣立ち雛数は平均6.2羽(5)であった.
ISSN:1348-5032
1882-0999
DOI:10.3312/jyio.51.62