直轄国道斜面に分布する巨礫の全面通行止めの措置を伴う除去工

道路直近における待ち受け対策で捕捉できない斜面上の大きな岩塊については,発生源対策としてワイヤー等による固定,岩盤接着工等による安定化,もしくは現地で小割除去を行うことが一般的である。しかしながら,地域間を結ぶ数少ない交通網として重要な役割を担う山岳道路においては,発生源対策による長期間の交通規制が,地域の社会生活に多大な負荷を課す。本事例の対象は,直轄国道斜面上に存在する,道路面での落石エネルギー約8,000kJに相当する不安定転石である。本報告においては,直轄国道としては異例の24時間全面通行止め措置を伴う巨礫除去となった経緯について,道路管理者としてのリスク回避の考え方,事前調査・設計お...

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Published in地盤工学ジャーナル Vol. 14; no. 2; pp. 225 - 240
Main Authors 國眼, 定, 上田, 大輔, 八谷, 誠, 八嶋, 厚, 野津, 隆太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 地盤工学会 30.06.2019
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Summary:道路直近における待ち受け対策で捕捉できない斜面上の大きな岩塊については,発生源対策としてワイヤー等による固定,岩盤接着工等による安定化,もしくは現地で小割除去を行うことが一般的である。しかしながら,地域間を結ぶ数少ない交通網として重要な役割を担う山岳道路においては,発生源対策による長期間の交通規制が,地域の社会生活に多大な負荷を課す。本事例の対象は,直轄国道斜面上に存在する,道路面での落石エネルギー約8,000kJに相当する不安定転石である。本報告においては,直轄国道としては異例の24時間全面通行止め措置を伴う巨礫除去となった経緯について,道路管理者としてのリスク回避の考え方,事前調査・設計および対応の妥当性検証を詳述する。得られた知見は,道路の今後のリスクマネジメントや落石対策の参考となるものである。
ISSN:1880-6341
DOI:10.3208/jgs.14.225