資源開発における情報の価値分析への尤度関数の影響

資源開発では不確実性下において合理的な意思決定を行うために適切な情報収集が必要である。ある情報収集がどの程度適切なのかを定量的に測る指標として情報の価値(VOI: value of information)分析という概念がある。情報収集で得られる観測の結果に応じて意思決定がより合理化され,それによって期待される利潤の増大量がVOIである。VOIを評価するには,不確実なパラメーターに対する事前確率分布,意思決定で取りえる選択肢それぞれに対する利潤関数,観測の信頼性を表現する尤度関数の三つを設定する必要がある。これらのうち,特に尤度関数に関する事前の知見を得ることは困難であり,モデル化は難しいと考...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 58; no. 6; pp. 376 - 383
Main Authors 合田, 隆, 中安, 雅啓, 村上, 大介, 佐藤, 光三
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 01.11.2015
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.58.376

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Summary:資源開発では不確実性下において合理的な意思決定を行うために適切な情報収集が必要である。ある情報収集がどの程度適切なのかを定量的に測る指標として情報の価値(VOI: value of information)分析という概念がある。情報収集で得られる観測の結果に応じて意思決定がより合理化され,それによって期待される利潤の増大量がVOIである。VOIを評価するには,不確実なパラメーターに対する事前確率分布,意思決定で取りえる選択肢それぞれに対する利潤関数,観測の信頼性を表現する尤度関数の三つを設定する必要がある。これらのうち,特に尤度関数に関する事前の知見を得ることは困難であり,モデル化は難しいと考えられる。そこで,本研究では資源開発において尤度関数がVOI分析に及ぼす影響について検討する。具体的には,数値実験を通して,尤度関数の選定がVOIの値にどの程度影響するのかを示す。さらに,観測が未知のバイアスを有している場合のVOIの定義について議論し,その影響を見る。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.58.376