大量高精細画像からの果実生育情報の抽出

本研究では,高精細画像モニタリングシステムを用いて大量に計測したりんご樹の画像から,果実の生育情報を自動抽出する手法を提案した.まず,2016年4~12月に計測した3,281枚の高精細画像(RGB)の緑画像(G)と青画像(B)を用いてGBVI画像を作成して,背景から葉領域を抽出した.次に,葉領域面積比と葉領域のフラクタル次元を算出した.そして,これらの指標の統計的性質を評価してデータの選別を行って,果実の生長近似を行った.果実生長の指標には半径(単位pixel)を使用し,Web画像ビューアを用いて6個の果実からのべ1,006回の計測を行った.説明変数を選別した葉領域面積比もしくはフラクタル次元...

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Published in農業情報研究 Vol. 26; no. 4; pp. 100 - 114
Main Authors 小林, 一樹, 源野, 広和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 農業情報学会 2017
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ISSN0916-9482
1881-5219
DOI10.3173/air.26.100

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Summary:本研究では,高精細画像モニタリングシステムを用いて大量に計測したりんご樹の画像から,果実の生育情報を自動抽出する手法を提案した.まず,2016年4~12月に計測した3,281枚の高精細画像(RGB)の緑画像(G)と青画像(B)を用いてGBVI画像を作成して,背景から葉領域を抽出した.次に,葉領域面積比と葉領域のフラクタル次元を算出した.そして,これらの指標の統計的性質を評価してデータの選別を行って,果実の生長近似を行った.果実生長の指標には半径(単位pixel)を使用し,Web画像ビューアを用いて6個の果実からのべ1,006回の計測を行った.説明変数を選別した葉領域面積比もしくはフラクタル次元の積算値,目的変数を果実半径の1日毎平均値にした時,ロジスティック曲線近似による決定係数は0.99以上になった.以上から,大量高精細画像からの果実生育情報の自動抽出が良好に行えることが示唆された.
ISSN:0916-9482
1881-5219
DOI:10.3173/air.26.100