頭蓋底近傍までの気腫を認めた歯ブラシによる口腔外傷例

口腔外傷は,原因器物や損傷部位などにより重症度や経過が異なり,時に致死的な合併症を生じる場合もある.今回8歳女児に生じた歯ブラシによる口腔外傷例を経験した.粘膜損傷は軽微であったが,画像上は頭蓋底近傍まで気腫が生じていた.原因器物が歯ブラシの場合には膿瘍形成率が高いとされていることから,充分な抗菌薬加療を行った.幸い重篤な合併症を来すことなく受傷後7日目に退院,14日目に終診とした.口腔外傷はさまざまな診療科で対応を求められる外傷である.適切な対応のための啓発が必要と考える....

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 37; no. 2; pp. 134 - 138
Main Authors 安藤, 瑞生, 田中, 慎太郎, 浦口, 健介, 直井, 勇人, 秋定, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2024
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.37-134

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Summary:口腔外傷は,原因器物や損傷部位などにより重症度や経過が異なり,時に致死的な合併症を生じる場合もある.今回8歳女児に生じた歯ブラシによる口腔外傷例を経験した.粘膜損傷は軽微であったが,画像上は頭蓋底近傍まで気腫が生じていた.原因器物が歯ブラシの場合には膿瘍形成率が高いとされていることから,充分な抗菌薬加療を行った.幸い重篤な合併症を来すことなく受傷後7日目に退院,14日目に終診とした.口腔外傷はさまざまな診療科で対応を求められる外傷である.適切な対応のための啓発が必要と考える.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.37-134