病院正面玄関から死亡退院することが与える遺族感情への影響

院内病棟型の緩和ケア病棟を持つ当院は，完全独立型の旧病院同様，正面玄関からの死亡退院を案内しているが，それが与える遺族感情への影響を，独立型・病棟型の違いで比較・検討した．患者が退院する際に抵抗感や違和感を感じた遺族は独立型13%，病棟型23%と病棟型で多かった．他患者の退院に遭遇した際の違和感は独立型52%，病棟型28%と病棟型で少なかった．記述意見として正面退院への肯定的な意見は多く挙げられたが，一般病院での気兼ねない退院実施には医療側の十分な配慮が必要であることも示唆された．現在は配慮・工夫の徹底に加え，要望に応じた退院口（正面玄関以外の選択）を導入するに至っている．...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inPalliative Care Research Vol. 19; no. 2; pp. 109 - 113
Main Authors 吉村, 真一朗, 山口, 健也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2024
Subjects
グリーフケア
正面玄関
退院形式
遺族感情
Online AccessGet full text

Cover

More Information
Summary:院内病棟型の緩和ケア病棟を持つ当院は，完全独立型の旧病院同様，正面玄関からの死亡退院を案内しているが，それが与える遺族感情への影響を，独立型・病棟型の違いで比較・検討した．患者が退院する際に抵抗感や違和感を感じた遺族は独立型13%，病棟型23%と病棟型で多かった．他患者の退院に遭遇した際の違和感は独立型52%，病棟型28%と病棟型で少なかった．記述意見として正面退院への肯定的な意見は多く挙げられたが，一般病院での気兼ねない退院実施には医療側の十分な配慮が必要であることも示唆された．現在は配慮・工夫の徹底に加え，要望に応じた退院口（正面玄関以外の選択）を導入するに至っている．
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.19.109