有機燐剤, Cyanofenphosのラット糖質代謝に及ぼす影響について

Cyanofenphos (CYP), Prothiofos, Chlorpyrifosをラットに反復投与した時, 遅発性神経毒性を有するCYPのみが血糖を増加させた。そして, 20mg/kgのCYPを反復投与された雄ラットは, 投与回数の増加に伴って血清および大脳のChE活性の抑制が増強されたが, 四肢筋力は低下しなかった。しかし, 血清インスリン濃度が増加するのにかかわらず空腹時血糖が上昇した。その成因は, Glycogen phosphorylaseの活性化やGlycogen synthetaseの抑制によるものではなく, 末梢組織での糖の取込みが抑制されることによるものであった。細胞へ...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 35; no. 5; pp. 881 - 886
Main Authors 鳥居, 本美, 平井, 和光, 坪井, 敬文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.01.1987
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.35.881

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Summary:Cyanofenphos (CYP), Prothiofos, Chlorpyrifosをラットに反復投与した時, 遅発性神経毒性を有するCYPのみが血糖を増加させた。そして, 20mg/kgのCYPを反復投与された雄ラットは, 投与回数の増加に伴って血清および大脳のChE活性の抑制が増強されたが, 四肢筋力は低下しなかった。しかし, 血清インスリン濃度が増加するのにかかわらず空腹時血糖が上昇した。その成因は, Glycogen phosphorylaseの活性化やGlycogen synthetaseの抑制によるものではなく, 末梢組織での糖の取込みが抑制されることによるものであった。細胞への糖の取込みの抑制は, CYPのインスリン受容体または糖のEntrysiteの障害によることが推測され, 糖代謝障害と神経毒性発現に関して考察した。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.35.881