脳卒中パスに組み込んだ急性期から回復期・外来までの切れ目のない運転再開支援システムの構築と運用

脳卒中センターである当院では, 個々の脳卒中患者に適切な自動車運転再開支援ができるよう, 電子化した脳卒中パスに支援を組み込んで, 急性期から回復期・外来までの切れ目のない支援システムを構築した。支援情報が共有可能となったことで, リハビリの通常業務として支援の標準化が進んだ。急性期から運転再開評価を行うことで, 早期退院となる患者の運転再開が円滑になった。回復期のみではなく急性期と回復期早期にも評価を行うことで, 脳卒中後の運転再開評価の必要性を患者自身と家族に認識させ, 再開基準をクリアすべくリハビリを行うよう指導することが運転再開支援に必要であり, 外来までの切れ目のない支援は, 実車評...

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Published in高次脳機能研究 (旧 失語症研究) Vol. 42; no. 3; pp. 296 - 300
Main Authors 齋藤, 真由美, 小澤, 常徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 30.09.2022
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ISSN1348-4818
1880-6554
DOI10.2496/hbfr.42.296

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Summary:脳卒中センターである当院では, 個々の脳卒中患者に適切な自動車運転再開支援ができるよう, 電子化した脳卒中パスに支援を組み込んで, 急性期から回復期・外来までの切れ目のない支援システムを構築した。支援情報が共有可能となったことで, リハビリの通常業務として支援の標準化が進んだ。急性期から運転再開評価を行うことで, 早期退院となる患者の運転再開が円滑になった。回復期のみではなく急性期と回復期早期にも評価を行うことで, 脳卒中後の運転再開評価の必要性を患者自身と家族に認識させ, 再開基準をクリアすべくリハビリを行うよう指導することが運転再開支援に必要であり, 外来までの切れ目のない支援は, 実車評価や免許返納などの退院後の円滑な指導に繋がると考えられた。支援の電子化によって脳卒中後の運転再開支援結果の分析が初めて可能となり, 退院時に運転再開となったのは全退院患者の 18% であったが, 支援患者では 43% , 急性期退院では 56% であった。
ISSN:1348-4818
1880-6554
DOI:10.2496/hbfr.42.296