Ammonia直接比色定量法を応用したguanase測定法の臨床的意義について

8-azaguanineを基質とし,酵素作用で遊離するammoniaを直接比色定量する新しいguanase測定法を用い,各組織,肝細胞分画,正常および各種疾患について検討した. Guanaseは肝,脳,腎に多く含まれ,GOT, GPTが比較的多く含まれている骨格筋,心筋,膵などにはほとんど含まれておらず,guanaseとGOTの分布に差がみられた.また,guanaseとGOTの分布の差は肝細胞分画でもみられた.血清guanaseは肝疾患で上昇し,他の疾患ではほとんど上昇しなかった.また,GOTが軽度上昇した心筋硬塞,多発性筋炎などでも上昇はみられず,血清guanaseの上昇は肝疾患に特異的と思...

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Published in肝臓 Vol. 16; no. 1; pp. 10 - 17
Main Authors 高岡, 猛, 奥田, 拓道, 岸, 清一郎, 伊東, 進, 藤井, 節郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.01.1975
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.16.10

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Summary:8-azaguanineを基質とし,酵素作用で遊離するammoniaを直接比色定量する新しいguanase測定法を用い,各組織,肝細胞分画,正常および各種疾患について検討した. Guanaseは肝,脳,腎に多く含まれ,GOT, GPTが比較的多く含まれている骨格筋,心筋,膵などにはほとんど含まれておらず,guanaseとGOTの分布に差がみられた.また,guanaseとGOTの分布の差は肝細胞分画でもみられた.血清guanaseは肝疾患で上昇し,他の疾患ではほとんど上昇しなかった.また,GOTが軽度上昇した心筋硬塞,多発性筋炎などでも上昇はみられず,血清guanaseの上昇は肝疾患に特異的と思われた. GuanaseはGOT, GPTよりも肝に特異的で,肝疾患のスクリーニング検査として利用出来るものと思われた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.16.10