ラット唾液腺のケラチンフィラメント
ラット唾液腺 (耳下腺, 顎下腺, 舌下腺および舌エブネル腺) の中間径フィラメントについて, 抗ケラチン抗体を用いた免疫組織化学反応と, 透過電子顕微鏡観察を行い, ケラチン蛋白のサブタイプと中間径フィラメントの分布状態を比較, 検討した。各唾液腺とも, 終末部分泌細胞介在部, 線条部および導管管腔側細胞は, PKK1抗体 (40, 45, 52, 5KDのケラチンサブタイプに反応) に陽性を示し, PKK2抗体 (40, 46, 48, 54KDに反応) に陰性を示した。電顕像では, これらの部位のケラチン (中間径) フィラメントは, 網状, あるいはまばらな細い束を作って分布していた。...
Saved in:
Published in | 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 38; no. 1; pp. 97 - 106 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
歯科基礎医学会
20.02.1996
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0385-0137 |
DOI | 10.2330/joralbiosci1965.38.97 |
Cover
Summary: | ラット唾液腺 (耳下腺, 顎下腺, 舌下腺および舌エブネル腺) の中間径フィラメントについて, 抗ケラチン抗体を用いた免疫組織化学反応と, 透過電子顕微鏡観察を行い, ケラチン蛋白のサブタイプと中間径フィラメントの分布状態を比較, 検討した。各唾液腺とも, 終末部分泌細胞介在部, 線条部および導管管腔側細胞は, PKK1抗体 (40, 45, 52, 5KDのケラチンサブタイプに反応) に陽性を示し, PKK2抗体 (40, 46, 48, 54KDに反応) に陰性を示した。電顕像では, これらの部位のケラチン (中間径) フィラメントは, 網状, あるいはまばらな細い束を作って分布していた。一方, PKK2抗体に陽性, PKK1抗体に陰性を示した筋上次と導髄底細胞のケラチンフイラメントの大部分は, 稠密な太い束を形成していた。 以上より, 唾液腺のケラチンフィラメントの分布状態は, ケラチン蛋白のサブタイプの違いを反映するものと考えられる。 |
---|---|
ISSN: | 0385-0137 |
DOI: | 10.2330/joralbiosci1965.38.97 |