北九州市立総合療育センター眼科でのロービジョンケア 視覚障害児・者のニーズ

目的:北九州市立総合療育センター眼科は、1991年より視覚障害児のロービジョンケアを行っている。視覚障害児の成長に伴い、他職種との連携を深めていく経過で、2001年頃より中途視覚障害者も受け入れるようになった。そこで今回は、視覚障害児・者のニーズを示し、そのケア内容を報告する。 方法:対象は、2001年1月から2007年6月までにロービジョンケアを求めて初診した156名で、18歳未満51名を視覚障害児、18歳以上105名を視覚障害者とした。対象者において、当科への紹介者、初診時のニーズ、ケア内容をカルテ記録より検討した。 結果:当科への紹介者は、視覚障害児では、他科の医師、眼科医、コメディカル...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 37; pp. 171 - 177
Main Authors 久保, 真奈子, 玉谷, 晴代, 別府, 美鈴, 松尾, 雅子, 高橋, 広
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 31.10.2008
日本視能訓練士協会
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Summary:目的:北九州市立総合療育センター眼科は、1991年より視覚障害児のロービジョンケアを行っている。視覚障害児の成長に伴い、他職種との連携を深めていく経過で、2001年頃より中途視覚障害者も受け入れるようになった。そこで今回は、視覚障害児・者のニーズを示し、そのケア内容を報告する。 方法:対象は、2001年1月から2007年6月までにロービジョンケアを求めて初診した156名で、18歳未満51名を視覚障害児、18歳以上105名を視覚障害者とした。対象者において、当科への紹介者、初診時のニーズ、ケア内容をカルテ記録より検討した。 結果:当科への紹介者は、視覚障害児では、他科の医師、眼科医、コメディカル、教育関係者がほぼ同数であった。視覚障害者は、眼科医と福祉関係者がほぼ同数であった。また、眼科医以外の紹介者が、視覚障害児76%、視覚障害者66%であった。初診時のニーズは、視覚障害児は主に視機能評価であった。そこで、同センタースタッフや教育関係者と連携した療育相談や視覚発達の訓練を継続するケアを行った。その中から保護者は、眼鏡装用や補助具使用が必要であることなどを理解していった。一方、視覚障害者は、紹介者からの情報提供もあり、補助具の紹介や羞明の軽減など明確なニーズをもって受診しており、これらに応えることがケア内容となった。 結論:今後も眼科医はもとより他職種と連携しながら、ニーズに応じたロービジョンケアを当科が行う必要があると考える。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.37.171