屈曲反射を指標とした刺激部位と刺激強度による抑制効果の違いの検討

ヒト屈曲反射を痛みの指標として、刺激部位と刺激強度による鎮痛効果の違いを圧痛点と非圧痛点で検討した。健康成人21人 (18-26歳) を対象に、腓腹神経を13秒おきに経皮的に電気刺激し、誘発された大腿二頭筋の筋電図を指標に、屈曲反射誘発部位と反対側の前腕に条件刺激を加えたときの効果を観察した。同一刺激強度で比較すると、圧痛点の方が非圧痛点に比べて抑制する例が多いものの、群間比較では有意な差ではなかった。一方、刺激強度に関しては圧痛点、非圧痛点ともにそれぞれの耐痛閾値の10%と50%の刺激強度において抑制傾向が認められた。以上の結果から効率よく鎮痛を得るためには、刺激部位とともに適当な刺激強度が...

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Published in全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 48; no. 1; pp. 10 - 16
Main Authors 伊藤, 和憲, 川喜田, 健司, 村瀬, 健太郎, 岡田, 薫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 全日本鍼灸学会 01.03.1998
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ISSN0285-9955
1882-661X
DOI10.3777/jjsam.48.10

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Summary:ヒト屈曲反射を痛みの指標として、刺激部位と刺激強度による鎮痛効果の違いを圧痛点と非圧痛点で検討した。健康成人21人 (18-26歳) を対象に、腓腹神経を13秒おきに経皮的に電気刺激し、誘発された大腿二頭筋の筋電図を指標に、屈曲反射誘発部位と反対側の前腕に条件刺激を加えたときの効果を観察した。同一刺激強度で比較すると、圧痛点の方が非圧痛点に比べて抑制する例が多いものの、群間比較では有意な差ではなかった。一方、刺激強度に関しては圧痛点、非圧痛点ともにそれぞれの耐痛閾値の10%と50%の刺激強度において抑制傾向が認められた。以上の結果から効率よく鎮痛を得るためには、刺激部位とともに適当な刺激強度が重要であることが示唆された。
ISSN:0285-9955
1882-661X
DOI:10.3777/jjsam.48.10