ヒトb3 ホモマーGABAA受容体のプロポフォール結合部位におけるバルビツル対掌体の分子識別

静脈麻酔薬バルビツルはGABAA受容体(GABAAR)に作用し、GABAARは覚知消失の主要な標的チャネルである。バルビツルは対掌体によって作用副作用が異なり、安全な麻酔薬の開発には対掌体の作用メカニズムの解明が必要である。しかし、GABAAR結合部位における対掌体バルビツルの分子識別メカニズムは未解決の問題として残っている。本研究は分子ドッキングによりGABAARにおける対掌体の分子認識メカニズムを解明した。Amobarbital, (R)-, (S)-pentobarbital, (R)-, (S)-isobarbitalはGABAAR RのM2-M2’Transmembrane doma...

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Bibliographic Details
Published inChem-Bio Informatics Journal Vol. 18; pp. 154 - 163
Main Authors 加藤, 稔, 瀬戸, 倫義, 小谷野, 賢
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 情報計算化学生物学会(CBI学会) 28.11.2018
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ISSN1347-6297
1347-0442
DOI10.1273/cbij.18.154

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Summary:静脈麻酔薬バルビツルはGABAA受容体(GABAAR)に作用し、GABAARは覚知消失の主要な標的チャネルである。バルビツルは対掌体によって作用副作用が異なり、安全な麻酔薬の開発には対掌体の作用メカニズムの解明が必要である。しかし、GABAAR結合部位における対掌体バルビツルの分子識別メカニズムは未解決の問題として残っている。本研究は分子ドッキングによりGABAARにおける対掌体の分子認識メカニズムを解明した。Amobarbital, (R)-, (S)-pentobarbital, (R)-, (S)-isobarbitalはGABAAR RのM2-M2’Transmembrane domain (TMD)、すなわちpropofol結合部位に結合することがわかった。(R)-, (S)-pentobarbitalは2.9 kcal mol-1の結合エネルギー差で対掌体識別していた。両者はbarbital環が主たる結合力となって結合し、不斉炭素に結合するmethyl基、propyl基の適合性(立体障害)が結合強度を修飾し、構造識別をすることが判明した。
ISSN:1347-6297
1347-0442
DOI:10.1273/cbij.18.154