高速液体クロマトグラフィーによるチオシアン酸イオンの定量

高速液体クロマトグラフィーを用いて微量のチオシアン酸イオンを測定するための諸条件を検討した.カラムに強塩基性陰イオン交換樹脂(TSK-ゲル LS-222,6μ)を用い,溶離液として過塩素酸-過塩素酸鉄(III)の混合液を用いることにより,チオシアン酸イオンの溶離と鉄(III)錯体としての検出が1台のポンプで行える簡単なクロマトグラフシステムを開発した.検量線は(0.25~10)nmolの範囲で直線となった. 本法を用いて,ヒト尿中のチオシアン酸イオンの定量を試みたところ,原尿を遠心分離してその上澄液100μlを直接カラムに注入するだけで精度良く定量できた....

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Published in分析化学 Vol. 29; no. 11; pp. 764 - 768
Main Authors 戸井田, 敏彦, 今成, 登志男, 田辺, 信三, 緒方, 惟治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 1980
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.29.11_764

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Summary:高速液体クロマトグラフィーを用いて微量のチオシアン酸イオンを測定するための諸条件を検討した.カラムに強塩基性陰イオン交換樹脂(TSK-ゲル LS-222,6μ)を用い,溶離液として過塩素酸-過塩素酸鉄(III)の混合液を用いることにより,チオシアン酸イオンの溶離と鉄(III)錯体としての検出が1台のポンプで行える簡単なクロマトグラフシステムを開発した.検量線は(0.25~10)nmolの範囲で直線となった. 本法を用いて,ヒト尿中のチオシアン酸イオンの定量を試みたところ,原尿を遠心分離してその上澄液100μlを直接カラムに注入するだけで精度良く定量できた.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.29.11_764