訪問看護対象在宅要介護老人の介護者における精神的健康と介護負担度の検討

訪問看護対象者の家族介護者の精神的健康と介護の負担度について調査した。 介護者の精神的健康状態と負担度の間には, 有意の正相関が認められた。精神的健康状態の中でも, 身体的症状, 不安と不眠, 社会的活動障害の項目において介護者の負担度と有意の相関が認められた。しかし, 要介護老人の日常生活動作と介護者の精神的健康状態および負担度についてはいずれも有意の相関はみられなかった。介護者との続柄, 福祉サービス受給の有無では, 家族介護老の精神的健康と介護の負担度に差はみられなかったが, 介護者が1名の場合と2名以上の場合に分けて精神的健康状態を検討した場合, 介護者が1名のほうがとくに社会的活動障...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 44; no. 5; pp. 680 - 684
Main Authors 山下, 一也, 飯島, 献一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.01.1996
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Summary:訪問看護対象者の家族介護者の精神的健康と介護の負担度について調査した。 介護者の精神的健康状態と負担度の間には, 有意の正相関が認められた。精神的健康状態の中でも, 身体的症状, 不安と不眠, 社会的活動障害の項目において介護者の負担度と有意の相関が認められた。しかし, 要介護老人の日常生活動作と介護者の精神的健康状態および負担度についてはいずれも有意の相関はみられなかった。介護者との続柄, 福祉サービス受給の有無では, 家族介護老の精神的健康と介護の負担度に差はみられなかったが, 介護者が1名の場合と2名以上の場合に分けて精神的健康状態を検討した場合, 介護者が1名のほうがとくに社会的活動障害度が有意に高かった。 訪問看護は患者に対する医療の提供, 供給のみならず, 家族介護者の健康, 負担軽減という観点からも十分に検討していく必要があると思われる。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.44.680