プリオンタンパク質の分子動力学シミュレーション -Ala117 →Valアミノ酸変異の影響

我々は、遺伝性プリオン病の1つである終脳型Gerstmann-Straussler-Sheinker症候群にみられる遺伝子変異A117Vとプリオンタンパクの構造の相関について分子動力学的研究を行った。本研究では、5個のプリオンタンパク質の構造について周期的条件または非周期的条件下で行った。計算の結果、正常体モデル(109-228 と 90-228)の球状ドメインの構造は比較的安定に保持されていることがわかった。これに対し、変異体モデル(109-228 と 90-228)の球状ドメインの構造では、A117Vを含むN末端の構造がドメイン構造と密接に関係し、β-シート構造の増長が観察された。...

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Published inChem-Bio Informatics Journal Vol. 3; no. 1; pp. 1 - 11
Main Authors 沖本, 憲明, 山中, 一徳, 末永, 敦, 平野, 秀典, 二木, 紀行, 成見, 哲, 泰岡, 顕治, 薄田, 竜太郎, 小石, 貴裕, 古沢, 秀明, 川井, 敦, 畑, 晶之, 星野, 忠治, 戎崎, 俊一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 情報計算化学生物学会(CBI学会) 2003
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Summary:我々は、遺伝性プリオン病の1つである終脳型Gerstmann-Straussler-Sheinker症候群にみられる遺伝子変異A117Vとプリオンタンパクの構造の相関について分子動力学的研究を行った。本研究では、5個のプリオンタンパク質の構造について周期的条件または非周期的条件下で行った。計算の結果、正常体モデル(109-228 と 90-228)の球状ドメインの構造は比較的安定に保持されていることがわかった。これに対し、変異体モデル(109-228 と 90-228)の球状ドメインの構造では、A117Vを含むN末端の構造がドメイン構造と密接に関係し、β-シート構造の増長が観察された。
ISSN:1347-6297
1347-0442
DOI:10.1273/cbij.3.1