高周波数域オージオメータの臨床応用 シスプラチン投与時の聴覚障害の評価

シスプラチン投与患者の聴覚障害を早期に診断することを目的に, 投与前後に標準純音聴力検査と高周波数域聴力検査を行い, 両者の比較を行った。高周波数域聴力検査で7耳に, 標準純音聴力検査で1耳に聴覚障害を認め, この1耳は両検査で聴覚障害を認めたが, 高周波数域聴力検査の方が標準純音聴力検査より早期に聴覚障害を認めた。本研究のシスプラチン投与量は多量であるが, 標準純音聴力検査では聴覚障害を認める頻度は少なく, 高周波数域での聴覚障害のみを認める症例が多く, 高周波数域聴力検査は, シスプラチン使用患者の聴覚障害を早期に発見するために有用な検査であると考えた。...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 41; no. 4; pp. 304 - 308
Main Authors 花栗, 誠, 吉田, 雅文, 牧嶋, 和見, 藤村, 和伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 31.08.1998
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.41.304

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Summary:シスプラチン投与患者の聴覚障害を早期に診断することを目的に, 投与前後に標準純音聴力検査と高周波数域聴力検査を行い, 両者の比較を行った。高周波数域聴力検査で7耳に, 標準純音聴力検査で1耳に聴覚障害を認め, この1耳は両検査で聴覚障害を認めたが, 高周波数域聴力検査の方が標準純音聴力検査より早期に聴覚障害を認めた。本研究のシスプラチン投与量は多量であるが, 標準純音聴力検査では聴覚障害を認める頻度は少なく, 高周波数域での聴覚障害のみを認める症例が多く, 高周波数域聴力検査は, シスプラチン使用患者の聴覚障害を早期に発見するために有用な検査であると考えた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.41.304