キュリー・ポイント・パイロライザーを用いた階層構造を持つY ゼオライト含有メソ多孔性シリカ–アルミナ触媒によるVGOの接触分解
本研究では,接触分解触媒の簡単な評価方法としてキュリー・ポイント・パイロライザー(CPP)を用いて減圧軽油(VGO)の接触分解反応を試みた。ゾル-ゲル法によりリンゴ酸(MA)を用いて調製した階層構造を持つ新規Yゼオライト含有メソ多孔性シリカ–アルミナ触媒を用いて,生成物選択性および触媒活性を評価した。Yゼオライト含有触媒はシリカ–アルミナの特徴的なブロードなXRDピークとYゼオライトの結晶に由来するXRDピークを示し,Yゼオライトの構造が維持されていることが分かった。窒素吸脱着測定を行った結果,MA122シリーズ(MA/TEOS(エトキシシラン)=1.22)の触媒ではメソ細孔が形成されているこ...
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Published in | Journal of the Japan Petroleum Institute Vol. 57; no. 1; pp. 34 - 46 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
公益社団法人 石油学会
2014
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Summary: | 本研究では,接触分解触媒の簡単な評価方法としてキュリー・ポイント・パイロライザー(CPP)を用いて減圧軽油(VGO)の接触分解反応を試みた。ゾル-ゲル法によりリンゴ酸(MA)を用いて調製した階層構造を持つ新規Yゼオライト含有メソ多孔性シリカ–アルミナ触媒を用いて,生成物選択性および触媒活性を評価した。Yゼオライト含有触媒はシリカ–アルミナの特徴的なブロードなXRDピークとYゼオライトの結晶に由来するXRDピークを示し,Yゼオライトの構造が維持されていることが分かった。窒素吸脱着測定を行った結果,MA122シリーズ(MA/TEOS(エトキシシラン)=1.22)の触媒ではメソ細孔が形成されていることが分かった。CPPを用いたゼオライト単独およびゼオライト含有シリカ–アルミナ触媒系によるVGOの接触分解を検討し,ガスクロマトグラフで検出されるピーク面積の総量と標準ガスのピーク面積から転化率を評価した。ゼオライト単独では転化率が低く,マトリックスを用いた酸点密度の制御が必要であることが分かった。マトリックスを用いるゼオライト含有触媒とすることで活性は向上した。Yゼオライトを用いた場合,ガソリン選択率は70 %に達し,分枝生成物の割合が他のゼオライトを用いた触媒に比べて多くなった。転化率に対してガソリン収率,単分枝生成物収率および多分枝生成物収率をそれぞれプロットしたところ,いずれの場合もほぼ直線関係が得られ,このことから分枝生成物でオクタン価を得るためには転化率の高い触媒の調製が必要であることが分かった。また,同じ転化率で比べた場合,差はわずかであったがZSM-5系<β系<Y系触媒の順に各収率が増加した。 |
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ISSN: | 1346-8804 1349-273X |
DOI: | 10.1627/jpi.57.34 |