臨床心理士による学校危機への緊急支援~学校臨床心理士コーディネーターへの調査から

本調査の目的は各都道府県における学校緊急支援の実施体制と支援プログラムの実態を把握することである。各都道府県の学校臨床心理士ワーキンググループ・コーディネーターを対象に調査を行い,32都道府県臨床心理士会の37名のコーディネーターから回答を得た。結果,緊急支援実施マニュアルについて,59.4%の心理士会が持っていた。また,依頼ルートについて最も一般的なものとしてあげられていたものは,教育委員会から心理士会への依頼であり,支援体制としては外部CPの追加配置と支援チームの配備がともに最も一般的なものであった。支援プログラムについては,全体に関わる支援から個別カウンセリングまで幅広く行われていること...

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Published in人間科学 Vol. 2; pp. 10 - 16
Main Authors 樋渡, 孝徳, 山下, 陽平, 山田, 幸代, 向笠, 章子, 林, 幹男, 窪田, 由紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州産業大学 人間科学会 2020
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ISSN2434-4753
DOI10.32223/hsksu.2.0_10

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Summary:本調査の目的は各都道府県における学校緊急支援の実施体制と支援プログラムの実態を把握することである。各都道府県の学校臨床心理士ワーキンググループ・コーディネーターを対象に調査を行い,32都道府県臨床心理士会の37名のコーディネーターから回答を得た。結果,緊急支援実施マニュアルについて,59.4%の心理士会が持っていた。また,依頼ルートについて最も一般的なものとしてあげられていたものは,教育委員会から心理士会への依頼であり,支援体制としては外部CPの追加配置と支援チームの配備がともに最も一般的なものであった。支援プログラムについては,全体に関わる支援から個別カウンセリングまで幅広く行われていることがわかった。支援体制による支援プログラム数の違いについて,有意差はないが効果量が見られ,チーム支援の方が多くのプログラムを行っている傾向にあった。支援を十分に行うためにも教育行政と日頃から十分な連携をとっていく必要性も示唆された。
ISSN:2434-4753
DOI:10.32223/hsksu.2.0_10