ミズナラにおける地上高別のカシノナガキクイムシの穿入孔数と成虫脱出数

ミズナラ被害枯死木から丸太を採取し,カシノナガキクイムシ穿入孔数と丸太からの成虫脱出数を丸太を採取した地上高別に調査した。穿入孔は樹幹下部ほど多いが,地上高10m以上の部位にも存在することが判った。また,辺材部材積当たりや穿入孔当たりの成虫脱出数は樹幹上部ほど多く,地上高2m未満の樹幹部からの成虫脱出数が全体の3割に満たない木があった。樹幹上部ほど樹幹直径は小さいが,繁殖場所である辺材部の幅は樹幹上部と下部とで差がなかった。このため,穿入密度が低い樹幹上部では,繁殖場所をめぐる種内競争が低下して,穿入孔当たりの成虫脱出数が多くなったと推察された。...

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Published in森林応用研究 Vol. 12; no. 2; pp. 143 - 149
Main Authors 小林, 正秀, 野崎, 愛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 応用森林学会 2003
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Summary:ミズナラ被害枯死木から丸太を採取し,カシノナガキクイムシ穿入孔数と丸太からの成虫脱出数を丸太を採取した地上高別に調査した。穿入孔は樹幹下部ほど多いが,地上高10m以上の部位にも存在することが判った。また,辺材部材積当たりや穿入孔当たりの成虫脱出数は樹幹上部ほど多く,地上高2m未満の樹幹部からの成虫脱出数が全体の3割に満たない木があった。樹幹上部ほど樹幹直径は小さいが,繁殖場所である辺材部の幅は樹幹上部と下部とで差がなかった。このため,穿入密度が低い樹幹上部では,繁殖場所をめぐる種内競争が低下して,穿入孔当たりの成虫脱出数が多くなったと推察された。
ISSN:1342-9493
2189-8294
DOI:10.20660/applfor.12.2_143