広島市近郊農村における大腸癌手術症例の検討

1978年から1989年までの12年間の大腸癌手術症例304例について検討した。結腸癌56.8%, 直腸癌43.2%で, 比率1.3と結腸癌が多かった。男女別では性差はない。年令区分では60才代28.0%がもっとも多く, 70才代24.0%が次ぎ, 50才以上が86.5%を占めた。有症状の外来症例が95.1%と大部分で, 検診などの無症状発見例は少数であった。癌の占居部位別頻度では, 結腸癌ではSが39.4%でもっとも多く, Aが次ぎ, 直腸癌ではRbが50.7%であった。大腸を左右に分けて比較すると, 左側が74.8%を占めた。切除率は91.5%, 治癒切除率は71.8%であった。組織学的病...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 40; no. 1; pp. 31 - 35
Main Authors 佐々木, 襄, 角, 重信, 川口, 正晴, 古川, 一人, 中尾, 達也, 高畑, 修治, 季白, 雅文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.05.1991
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Summary:1978年から1989年までの12年間の大腸癌手術症例304例について検討した。結腸癌56.8%, 直腸癌43.2%で, 比率1.3と結腸癌が多かった。男女別では性差はない。年令区分では60才代28.0%がもっとも多く, 70才代24.0%が次ぎ, 50才以上が86.5%を占めた。有症状の外来症例が95.1%と大部分で, 検診などの無症状発見例は少数であった。癌の占居部位別頻度では, 結腸癌ではSが39.4%でもっとも多く, Aが次ぎ, 直腸癌ではRbが50.7%であった。大腸を左右に分けて比較すると, 左側が74.8%を占めた。切除率は91.5%, 治癒切除率は71.8%であった。組織学的病期分類では, stage I11.7%, II30.9%, III21.8%, IV11.7%, V23.8%であった。5年生存率は平均57.1%であった。術前検査でのCEA陽性率は46.6%に過ぎず, とくに早期のものの陽性率はきわめて低く, 補助診断としての有用性は認めなかった。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.40.31