ポストキャリブレーション型網羅分析結果の解析支援システムの構築と化学物質流出事故発生時の模擬河川水試料からの流出物質推定

ポストキャリブレーション型の網羅分析結果の解析 (物質推定) を支援するWEBシステム (化学物質探索システム) を構築した。構築したシステムは, 36,436物質の名称, 法規制状況などを収録したデータベースと, NIST/EPA/NIH Mass Spectral Library (NIST2020) を用いて調査した7,086物質のマススペクトルと3,377物質の保持指標値を収録したデータベースを備えている。調査の結果, NIST2020に収録されている情報は, 生態毒性物質の情報が豊富だが, 化審法対象物質などの日本の法規制上重要な物質の情報は乏しいことが明らかになった。また, 30物...

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Published in水環境学会誌 Vol. 46; no. 4; pp. 85 - 91
Main Authors 高梨, 啓和, 山田, 奈瑠実, 中島, 常憲, 澤井, 淳, 小久保, 貴幸, 後藤, 康之, 戸田, 美沙, 鈴木, 裕識, 新福, 優太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 2023
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Summary:ポストキャリブレーション型の網羅分析結果の解析 (物質推定) を支援するWEBシステム (化学物質探索システム) を構築した。構築したシステムは, 36,436物質の名称, 法規制状況などを収録したデータベースと, NIST/EPA/NIH Mass Spectral Library (NIST2020) を用いて調査した7,086物質のマススペクトルと3,377物質の保持指標値を収録したデータベースを備えている。調査の結果, NIST2020に収録されている情報は, 生態毒性物質の情報が豊富だが, 化審法対象物質などの日本の法規制上重要な物質の情報は乏しいことが明らかになった。また, 30物質を添加して調製した模擬河川水試料をガスクロマトグラフ-質量分析計で網羅分析した結果を本システムで解析し, 添加した30物質を正しく物質推定できるか否か検証した結果, 添加した30物質をすべて正しく推定できた。
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.46.85