ネットいじめ言説の特徴 -新聞記事の内容分析から

本研究の目的は,新聞記事の内容を分析することでネットいじめ言説の特徴を整理し,その問題点について論じることである.ネットいじめの記事は2007年ごろから見られるようになる.ネットいじめが問題化し始めた当初は,悪質化,深刻化,陰湿化などを訴える新聞記事が多かった.2008年ごろには学校裏サイトが注目を集めるようになり,学校裏サイトが問題視されるようになったが,その後記事は減少した.それにかわって2009年ごろから増え始めるのが,ネットいじめへの具体的な対応や対策を紹介する記事である.こうしたネットいじめ言説は「子どもとケータイ問題」として論じられるという特徴がある.そして,子どもとケータイ問題と...

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Published in名古屋文理大学紀要 Vol. 12; pp. 89 - 95
Main Author 田川, 隆博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人滝川学園 名古屋文理大学 31.03.2012
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ISSN1346-1982
2433-5517
DOI10.24609/nbukiyou.12.0_89

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Summary:本研究の目的は,新聞記事の内容を分析することでネットいじめ言説の特徴を整理し,その問題点について論じることである.ネットいじめの記事は2007年ごろから見られるようになる.ネットいじめが問題化し始めた当初は,悪質化,深刻化,陰湿化などを訴える新聞記事が多かった.2008年ごろには学校裏サイトが注目を集めるようになり,学校裏サイトが問題視されるようになったが,その後記事は減少した.それにかわって2009年ごろから増え始めるのが,ネットいじめへの具体的な対応や対策を紹介する記事である.こうしたネットいじめ言説は「子どもとケータイ問題」として論じられるという特徴がある.そして,子どもとケータイ問題として論じられることで,子どもたちの学校での人間関係の問題が隠されてしまうという点を本研究は指摘した.
ISSN:1346-1982
2433-5517
DOI:10.24609/nbukiyou.12.0_89