大阪湾におけるマイクロプラスチック調査

2019年9月と12月に大阪湾の湾奥部と湾東中部の2か所で, 表層に浮遊する0.35 mm以上, 5 mm未満のマイクロプラスチック (MPs) の個数密度を測定した。その結果, 9月湾奥部で4.1 個 m-3と最も高密度で, 環境省により報告された2015年の大阪湾の湾奥部における0.75 個 m-3, および瀬戸内海6定点における平均個数密度の0.35 個 m-3に比べ突出して高かった。その要因として, 調査前日の激しい降雨により淀川水系および大和川水系から大阪湾へ出水したこと, 調査日の潮差が小さかったこと, 調査日前後に卓越した南西風による湾奥の停滞性が高まったことなど, 複数が挙げら...

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Published in水環境学会誌 Vol. 47; no. 3; pp. 95 - 103
Main Authors 近藤, 健, 河田, 育子, 栢原, 博幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 2024
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Summary:2019年9月と12月に大阪湾の湾奥部と湾東中部の2か所で, 表層に浮遊する0.35 mm以上, 5 mm未満のマイクロプラスチック (MPs) の個数密度を測定した。その結果, 9月湾奥部で4.1 個 m-3と最も高密度で, 環境省により報告された2015年の大阪湾の湾奥部における0.75 個 m-3, および瀬戸内海6定点における平均個数密度の0.35 個 m-3に比べ突出して高かった。その要因として, 調査前日の激しい降雨により淀川水系および大和川水系から大阪湾へ出水したこと, 調査日の潮差が小さかったこと, 調査日前後に卓越した南西風による湾奥の停滞性が高まったことなど, 複数が挙げられた。湾奥部のMPsは, 9月には発泡ビーズ, 人工芝, 肥料殻で49.4%を占めた。一方で, 12月には肥料殻は全く確認できなかった。MPsの個数密度とその由来は季節変動することが推察された。
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.47.95