農業集落排水処理水の灌漑利用からみた連続流入間欠ばっ気活性汚泥法の運転管理

本研究は農業集落排水施設で多く採用されている連続流入間欠ばっ気活性汚泥法の処理水について, 「処理水の灌漑プロジェクトに対するISOガイドライン」の水質レベルと比較し, 各カテゴリーの水質レベルを達成するために必要な運転管理方法を検討した。処理水のBOD濃度とSS濃度は流量調整槽前置嫌気ろ床接触ばっ気法の農業集落排水処理水に比べて灌漑水として良好な値であり, ばっ気槽のDO濃度 (ばっ気工程終了時) を1~2 mg L-1とすることで水質が最も良好なカテゴリーAの水質レベルを達成できる可能性が高いことが分かった。また, ばっ気槽のDO濃度の応答は散気方式によって大きく異なるため, 散気方式に応...

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Published in水環境学会誌 Vol. 46; no. 1; pp. 21 - 33
Main Authors 李, 雨桐, 山岡, 賢, 治多, 伸介, 中野, 拓治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 2023
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Summary:本研究は農業集落排水施設で多く採用されている連続流入間欠ばっ気活性汚泥法の処理水について, 「処理水の灌漑プロジェクトに対するISOガイドライン」の水質レベルと比較し, 各カテゴリーの水質レベルを達成するために必要な運転管理方法を検討した。処理水のBOD濃度とSS濃度は流量調整槽前置嫌気ろ床接触ばっ気法の農業集落排水処理水に比べて灌漑水として良好な値であり, ばっ気槽のDO濃度 (ばっ気工程終了時) を1~2 mg L-1とすることで水質が最も良好なカテゴリーAの水質レベルを達成できる可能性が高いことが分かった。また, ばっ気槽のDO濃度の応答は散気方式によって大きく異なるため, 散気方式に応じたばっ気強度の管理が重要であることが示された。処理水中の残留塩素濃度が0.15 mg L-1以上検出されれば, 大腸菌群数はカテゴリーBおよびAの水質レベルを達成できる可能性が高く, 残留塩素の適切な濃度管理が処理水の灌漑利用のためには重要であると考えられた。
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.46.21