顎口腔領域に生じた表皮嚢胞 (epidermal cyst) の2例

表皮嚢胞は単発ないし多発性に全身, 特に顔面・頭部の真皮または皮下層に生じる.これは真皮または皮下層に生じた類表皮嚢胞と同一の疾患と思われる. 症例1 : 34歳, 女性.嚢胞は視診で左側の顎下部に境界明瞭な腫瘤として認められ, 触診で柔らかく可動性を認めた.その嚢胞は全身麻酔下にて口腔外より容易に摘出できた.筆者らは病変部に医学的な既往がないため, この嚢胞は先天的な起源を有すると考えた. 症例2 : 22歳, 男性.嚢胞は左側頬部皮膚に境界明瞭で20×15mmの腫瘤として認められた.触診にて疼痛はなく可動性を認めた.病変の摘出に困難を感じ, 口腔内と口腔外よりのアプローチを必要とした.筆者...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 51; no. 3; pp. 203 - 206
Main Authors 大竹, 克也, 中曽根, 良樹, 茂木, 健司, 笹岡, 邦典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2001
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.51.203

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Summary:表皮嚢胞は単発ないし多発性に全身, 特に顔面・頭部の真皮または皮下層に生じる.これは真皮または皮下層に生じた類表皮嚢胞と同一の疾患と思われる. 症例1 : 34歳, 女性.嚢胞は視診で左側の顎下部に境界明瞭な腫瘤として認められ, 触診で柔らかく可動性を認めた.その嚢胞は全身麻酔下にて口腔外より容易に摘出できた.筆者らは病変部に医学的な既往がないため, この嚢胞は先天的な起源を有すると考えた. 症例2 : 22歳, 男性.嚢胞は左側頬部皮膚に境界明瞭で20×15mmの腫瘤として認められた.触診にて疼痛はなく可動性を認めた.病変の摘出に困難を感じ, 口腔内と口腔外よりのアプローチを必要とした.筆者らは患者には数年前に病変部に外傷の既往が認められたため, 本嚢胞は後天的な起源を有すると考えた.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.51.203