当院通所リハの利用者における転倒指標の検討

当院通所リハビリテーションでは、以前より健脚度による転倒回避能力の調査を行ってきた。しかし、最大1歩幅、40cm踏み台昇降は高齢障害者に適応させる事が困難であり有意差を認めるには至らなかった。そこで当院通所リハ利用者で歩行可能な48名(年齢:79.4±7.3歳)の高齢障害者を対象に、転倒回避能力として30秒椅子立ち上がりテスト・10m全力歩行・握力・開眼片脚立位を取り入れ検討を行った。そして対象者の過去1年以内の転倒歴を調査した。その結果転倒歴と10m全力歩行・開眼片脚立位では、その両間に有意差を認めた。また、10m全力歩行と開眼片脚立位ではr=0.43と相関を認めた。この事より下肢筋力・バラ...

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Published in九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 Vol. 2002; p. 131
Main Authors 冨永, 雅之, 寺田, 和彦, 中野, 裕之, 永野, 伸一, 秀野, 公一, 中川, 浩, 近藤, 敏也, 衣川, 英和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州理学療法士・作業療法士合同学会 2003
Joint Congress of Physical Therapist and Occupational Therapist in Kyushu
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ISSN0915-2032
2423-8899
DOI10.11496/kyushuptot.2002.0.131.0

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Summary:当院通所リハビリテーションでは、以前より健脚度による転倒回避能力の調査を行ってきた。しかし、最大1歩幅、40cm踏み台昇降は高齢障害者に適応させる事が困難であり有意差を認めるには至らなかった。そこで当院通所リハ利用者で歩行可能な48名(年齢:79.4±7.3歳)の高齢障害者を対象に、転倒回避能力として30秒椅子立ち上がりテスト・10m全力歩行・握力・開眼片脚立位を取り入れ検討を行った。そして対象者の過去1年以内の転倒歴を調査した。その結果転倒歴と10m全力歩行・開眼片脚立位では、その両間に有意差を認めた。また、10m全力歩行と開眼片脚立位ではr=0.43と相関を認めた。この事より下肢筋力・バランス力低下の両者の混在により転倒が起こると考えられた。転倒歴と30秒椅子立ち上がりテスト・握力では、その両間に有意差を認める事は出来なかった。 70歳代の転倒歴と10m全力歩行・開眼片脚立位は有意差を認めた。しかし、80歳代に関しては有意差を認める事は出来なかった。この事より80歳代の転倒因子には下肢筋力、バランス力よりも関係性が強い他の因子が関与している事が考えられた。
ISSN:0915-2032
2423-8899
DOI:10.11496/kyushuptot.2002.0.131.0