対話分析による協調的情報検索における行為者間のコミュニケーションの理解

協調的情報検索が盛んに行われることとなって久しい.その一方で,協調的情報検索プロセスにおける行為者間のコミュニケーションの詳細は明らかにされていない.協調的情報検索プロセスに対する効果的な支援等への貢献を目指し,本研究では,行為者間のコミュニケーションを理解することを目的とした.そのために,協調的情報検索タスクに取り組む 5 グループ 16 人の対話分析を行った.その結果,協調的情報検索を構成する行動のうち,特に,協調的な情報ニーズの認識,検索結果および情報ニーズの共有,情報検索行動の調整等の検索やタスクを方向付ける行動において,行為者間のコミュニケーションが盛んに行われることが明らかになった...

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Published in情報メディア研究 Vol. 22; no. 1; pp. 77 - 91
Main Author 武田, 将季
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 情報メディア学会 06.10.2023
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ISSN1348-5857
1349-3302
DOI10.11304/jims.22.77

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Summary:協調的情報検索が盛んに行われることとなって久しい.その一方で,協調的情報検索プロセスにおける行為者間のコミュニケーションの詳細は明らかにされていない.協調的情報検索プロセスに対する効果的な支援等への貢献を目指し,本研究では,行為者間のコミュニケーションを理解することを目的とした.そのために,協調的情報検索タスクに取り組む 5 グループ 16 人の対話分析を行った.その結果,協調的情報検索を構成する行動のうち,特に,協調的な情報ニーズの認識,検索結果および情報ニーズの共有,情報検索行動の調整等の検索やタスクを方向付ける行動において,行為者間のコミュニケーションが盛んに行われることが明らかになった.さらに,これらの行動では,先行研究が示唆してきたように,主張や疑問の提示が行われていることを確認した.そして,主張や疑問の提示には,協調や検索には欠かせない多様な役割,機能が包含されていることを明らかにした.
ISSN:1348-5857
1349-3302
DOI:10.11304/jims.22.77