ニューロキニンAの鼻粘膜過敏性亢進における役割

8名の健康成人男性を対象とした。ニューロキニンA (Neurokinin A: NKA) は, 非アドレナリン, 非コリン作動性の神経ペプチドの一つであり, この128μgをジェットネビュライザーで鼻粘膜に投与した。対照として生理的食塩水を同様に投与した。NKA投与または生食投与10分前にニュートラルエンドペプチターゼ (neutoral endpeptidase) 抑制剤であるチオルファン (thiorphan) 2.5mgを同様に投与した。そしてNKAまたは生食投与10分後にヒスタミンに対する反応閾値を検討した。 くしゃみまたは水様性鼻漏を生ずる最小ヒスタミン濃度にはNKA投与の場合と生食...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 39; no. Supplement2; pp. 132 - 136
Main Authors 間島, 雄一, 原田, 輝彦, 郭, 永清, 坂倉, 康夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.08.1996
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Summary:8名の健康成人男性を対象とした。ニューロキニンA (Neurokinin A: NKA) は, 非アドレナリン, 非コリン作動性の神経ペプチドの一つであり, この128μgをジェットネビュライザーで鼻粘膜に投与した。対照として生理的食塩水を同様に投与した。NKA投与または生食投与10分前にニュートラルエンドペプチターゼ (neutoral endpeptidase) 抑制剤であるチオルファン (thiorphan) 2.5mgを同様に投与した。そしてNKAまたは生食投与10分後にヒスタミンに対する反応閾値を検討した。 くしゃみまたは水様性鼻漏を生ずる最小ヒスタミン濃度にはNKA投与の場合と生食投与の場合で有意の差は認められなかった。またNKAはacoustic rhinometerで評価した鼻腔の通気性にも影響を示さなかった。これらの結果よりNKAは正常人においてヒスタミンに対する鼻粘膜過敏性を亢進しない可能性が示唆された。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.39.Supplement2_132