タンチョウGrus japonensis から得られたCyathostoma (Hovorkonema) sp. ( 線虫綱: 開嘴虫科) の初記録

2013年8月6日に死亡したタンチョウのヒナを剖検したところ、鼻腔内と前胸および叉骨間気嚢から20 個体の線虫が検出された。形態学的に検討した結果、円虫上科開嘴虫科のCyathostoma属Hovorkonema亜属の一種であった。種名決定は保留されたが、タンチョウを宿主としたCyathostoma属線虫の報告は初であり、同時に、この属線虫の国内初となった。本属線虫はミミズを待機宿主として利用することが知られ、この個体は親からミミズを盛んに給餌されていたため、幼虫を含んだミミズを採食して感染したと考えられた。...

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Published in日本線虫学会誌 Vol. 49; no. 1; pp. 7 - 11
Main Authors 吉野, 智生, 飯間, 裕子, 松本, 文雄, 浅川, 満彦
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本線虫学会 20.09.2019
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Summary:2013年8月6日に死亡したタンチョウのヒナを剖検したところ、鼻腔内と前胸および叉骨間気嚢から20 個体の線虫が検出された。形態学的に検討した結果、円虫上科開嘴虫科のCyathostoma属Hovorkonema亜属の一種であった。種名決定は保留されたが、タンチョウを宿主としたCyathostoma属線虫の報告は初であり、同時に、この属線虫の国内初となった。本属線虫はミミズを待機宿主として利用することが知られ、この個体は親からミミズを盛んに給餌されていたため、幼虫を含んだミミズを採食して感染したと考えられた。
ISSN:0919-6765
1882-3408
DOI:10.3725/jjn.49.7