介護指導のための簡便な映像製作の方法

【目的】  当院において、看護介護職に対する介護指導(人工骨頭挿入術後の患者様への脱臼予防に注意した介護方法)に、デジタルビデオカメラ(以下DVカメラ)とパーソナルコンピュータ(以下PC)を使用して映像を製作した。病院の患者層や看護介護職の熟練度を踏まえた、病院独自の介護指導用映像を製作する事で、看護介護職に対する充分な脱臼予防教育が可能となると考えたので、その簡便と思われる方法を報告する。 【方法】  介護指導用の映像を製作する為に、DVカメラ・ビデオテープ・PC(WindowsXPに付属しているデジタルビデオ編集ソフトのムービーメーカー、記録装置としてCD-R/RWドライブ)・IEEE13...

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Published in九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 Vol. 2006; p. 120
Main Author 星野, 一成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州理学療法士・作業療法士合同学会 2006
Joint Congress of Physical Therapist and Occupational Therapist in Kyushu
Subjects
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ISSN0915-2032
2423-8899
DOI10.11496/kyushuptot.2006.0.120.0

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Summary:【目的】  当院において、看護介護職に対する介護指導(人工骨頭挿入術後の患者様への脱臼予防に注意した介護方法)に、デジタルビデオカメラ(以下DVカメラ)とパーソナルコンピュータ(以下PC)を使用して映像を製作した。病院の患者層や看護介護職の熟練度を踏まえた、病院独自の介護指導用映像を製作する事で、看護介護職に対する充分な脱臼予防教育が可能となると考えたので、その簡便と思われる方法を報告する。 【方法】  介護指導用の映像を製作する為に、DVカメラ・ビデオテープ・PC(WindowsXPに付属しているデジタルビデオ編集ソフトのムービーメーカー、記録装置としてCD-R/RWドライブ)・IEEE1394ケーブル(DVカメラとPCを接続するケーブル)を用意した。映像製作の手順として1)脚本製作2)撮影3)PCに動画を読み込む4)PCでの編集5)ムービー(編集後の映像)の保存、の順に行った。1)脚本製作では文献等から人工骨頭挿入術後の脱臼予防に注意した介護方法を情報収集し、起き上がり・移乗動作等の方法を文章化した。それにナレーションを付け加え、脚本とした。2)撮影は3人(患者役・介護者役・ビデオ撮影者)で行った。患者役・介護者役の全身が映るように、斜めから撮影する等、動きに対応可能なアングルから撮影した。また、重要な部位についてはアップでの撮影も行った。4)PCでの編集ではWindowsXPに標準アクセサリとして付属しているムービーメーカーを使用した。これは初心者でも簡単に編集作業が可能な映像編集ソフトであり、マイクロソフトのWebサイトから無料提供されているので、OS がWindowsXPであれば、アップグレード版をダウンロードして使用する事が可能である。編集作業では不要部分の削除(トリミング)・タイトルや特殊効果の挿入などを行い、ムービーを製作する。そのムービーをPT・OT・看護師・介護職に見てもらい、手直しを繰り返し、完成とした。5)完成したムービーの保存場所は、病棟などで必要な時に見る事が可能となるよう病棟内のパソコンに保存した。また配布しやすいCD-Rにも保存した。 【結果】  製作したムービーの合計時間は約6分、ムービー数は、8本とした。1ファイルに、寝返り等のタイトルをつけ、20~30秒程度の映像に編集した。 【考察とまとめ】 当院における介護指導には写真や文章、勉強会等での指導が主であり、見やすく動きのある動画を使用したことはなかった。しかしDVカメラやPC等により、簡便に介護指導用映像を製作することが出来た。映像による介護指導は新人教育や急性期・回復期病棟での介護業務の統一化に効果があると考える。今後は、より個別化した患者教育等でも映像の使用を考えていきたい。
ISSN:0915-2032
2423-8899
DOI:10.11496/kyushuptot.2006.0.120.0